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Lee-Byung-hun addicted

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第14話2006/9

『I'll dream of you again』 scene14



「もうすぐ空港につくけど・・・ちょっと早かったかな。ヒョンは飛び乗らないとつかまっちゃうからな。」
「人を犯罪者みたいに言うなよ・・・」とビョンホンは答えた。
「揺はどうするの?」
「できれば中まで送りたいけど無理ね。きっと。」揺はそうつぶやいた。
「じゃあさ、俺が手続き全部済ませてくるから二人で車に乗って待ってろよ。ヒョンそれでいい?」彰介はそういうとビョンホンに向かって意味ありげにウインクをした。
「ああ、よろしく頼むよ。20分前には入るから。」
「了解。じゃ、車は・・・・俺を降ろしたら揺駐車場に入れろ。お前はもう醒めてるだろ。」
「うん。わかった。ありがとう彰介」と揺。
「ああ。じゃあな。感謝しろよ。あ、ヒョン、俺の車スモークガラスだから。気にしないでやっていいから。」彰介は笑ってそういい残すとロビーに向かって走っていった。
残された二人は顔を見合わせて笑った。
「やっていいからって何をしろっていうのかしらね。あいつ・・」揺は笑いながらそういって運転席に移ろうとした。
「揺」
「?」
「その前に・・・・」ビョンホンは揺の顎を引き寄せると深く激しく唇をあわせた。
ハザードのカチカチという音だけが車内に響く・・・
「ビョンホンssi・・・」慌てる揺に
「黙って。」ビョンホンは静かにそういった。
遠くでクラクションの音が聞こえる気がした・・・・揺は彼の愛を感じながらも(駐停車禁止でキップを切られても諦めよう・・・・)と自分が思っているのが無性に可笑しかった。

「もう時間だね。行かなくちゃ」揺は髪の乱れを簡単に直した。
「うん。」
「いやだ・・ビョンホンssi・・」揺は彼の髪のはねているところをそっと撫でた。
クスッと笑う揺。
ビョンホンはそんな彼女をとても愛おしく思いまた彼女を引き寄せる。
「きりがないよ・・。またすぐに会えるわよきっと。」揺はそういうとビョンホンの背中をトントンと叩いた。
「揺・・・次の作品・・・まだ返事していないんだ。ちょっと迷ってることもあって。」
「そうだと思った。言い出さないから。・・・あんまり考え込まないで「これだっ!」ってひらめいたものにするといいんじゃない?きっとあなたはそんな作品に出会ったらピンっと感じるはずよ。私に出会ったとき何かを感じたように。」
揺はそういうと彼にそっとキスをした。
「じゃあ、新しい作品に入る前にまた会えることを祈って。・・それにソウルにもなるべく早く行けるよう頑張るよ。」
「ああ。待ってる。」
揺は運転席に座りなおし出発ロビーに彼を送り届ける。
「じゃ、またあとで。」とビョンホン。
「気をつけてね。後でまたね。」と揺。
ビョンホンはサングラスをかけると車から素早く降りた。
そして左右を確認すると道路を足早に横切っていく。
「ああ・・行っちゃった。やっぱ・・寂しいわね。あれ、そういえば彰介どうするのかな。ま、いいか。」
揺はそうつぶやくと車のエンジンをかけた。
「コンコンコン・・・」
音に気づいて窓の外を見ると行ったはずのビョンホンがそこに立っていた。
「???・・・・どうしたの?」揺が驚いてパワーウインドウを開けると彼は一言
「また忘れた」と言って彼女の唇にそっとキスをした。
「もう・・・忘れ物が多いんだから。」
揺は笑って彼を見送った。



「揺・・・何でヒョンに結婚するって返事しないの?まさかしたくないわけじゃないし。やっぱりCAAとの契約の件?」
彰介はハンドルを握りながら助手席の揺に訊ねた。
「まあ、それはあるはね。あれがなければ何も考えずにあの流れのまま結婚してたかもしれない・・・。でもね。今はあの時結婚しなくて良かったかもって思ってるの。」
「どういう意味?」
「ん?あのときの私は彼と知り合ってほんの数日で彼のすべてを理解しているような気になっていたけれど本当は何もわかってなかったってこと。この一年彼が悩んだり苦しんだりする姿をそっと陰から覗いたの。彼はそんな姿私にさえめったに見せないから。そんな彼を見るたびに私に何が出来るのか考えたけど・・私に出来るのは一緒にいて笑ってあげることだけだった・・・きっとあのまま結婚していたら彼を支えなくっちゃとか彼の苦しみを理解しようとか必死になったと思う。彼を問い詰めて逆に苦しめていたかもしれない。でもね。今はそう思わないの。私が必死になったら彼が辛くなるのがわかったから。
彼が苦しんでいたら横にそっと静かに座って手を握ってあげようとか。笑ってあげようとか。そんな些細なことを彼にしてあげることが出来れば別に結婚してもしなくても関係ない気がしてるの。俳優イ・ビョンホンにとって結婚という肩書きが不利になるのなら結婚せずに同じ状況を作ってあげればそれで彼が幸せなら私も充分幸せだし。それがいいかなって。」
「でも、ヒョンは結婚したがってる」
「彼はそういうところ損得勘定考えない人だから。」
「それにね。いつ結婚するかはきっと神様が決めてくれるような気がするのよね。」
「何だか暢気だな・・・やっぱりヒョンは太陽で揺は昼の月だ。」そういうと彰介は笑いながらアクセルを踏み込んだ。


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